大容量ファイルの送り方、結局どれが正解?〜メール添付・物理媒体・クラウドストレージ・ファイル転送サービス徹底比較〜
動画やCADデータ、高解像度画像など、業務で扱うファイルは年々大容量化しています。大容量ファイルの受け渡しには、メール添付、USBメモリやCD-ROMなどの物理媒体、クラウドストレージといった選択肢がありますが、それぞれ容量制限や運用負荷、情報漏えいリスクなどの課題があります。
この記事では、各手段の特徴と注意点を比較しながら、大容量ファイルを安全かつ効率的に受け渡す方法についてご紹介します。
目次
メール添付は容量とセキュリティの両面で限界がある
大容量ファイルの送付には容量制限が障壁になる
メール添付は最も普及しているファイル送信方法ですが、大容量ファイルの受け渡しには向いていません。多くのメールシステムでは添付容量に上限が設定されており、動画や設計データなどの大容量ファイルは送信できない場合があります。
また、ファイルサイズが大きくなるほど送受信に時間がかかり、受信側のメール環境によっては受け取りに失敗することもあります。業務で扱うファイルが大容量化するなか、メールだけで対応することは難しくなっています。
誤送信による情報漏えいリスクが残る
メール添付は手軽に利用できる一方で、宛先の入力ミスや添付ファイルの選択ミスによる情報漏えいリスクを抱えています。特に機密情報や個人情報を含むファイルでは、一度送信してしまうと回収が難しく、事故発生時の影響も小さくありません。
また、従来はメール添付時のセキュリティ対策として、パスワード付きZIPファイルとパスワードを別メールで送るPPAPが広く利用されてきました。しかし、誤送信が発生した場合にはファイルとパスワードの両方が第三者に渡る可能性があり、情報漏えい対策として十分とは言えません。そのため近年では、より安全なファイル授受の仕組みへ移行する脱PPAPの動きが広がっています。
実際にIPA(情報処理推進機構)は、2020年9月2日に、パスワード付きZIPファイルを添付したマルウェア「Emotet」の攻撃メールを確認したと公表しています。添付ファイルが暗号化されているため、配送経路上でセキュリティ製品の検知をすり抜け、受信者の手元まで届いてしまう点が指摘されています。
(出典:IPA「相談急増/パスワード付きZIPファイルを使った攻撃の例(2020年9月2日)」 https://www.ipa.go.jp/security/emotet/situation/emotet-situation-04.html)
メール添付は手軽な手段ではあるものの、大容量ファイルや機密性の高い情報を扱う場合には、安全性や運用面から別の方法を検討することが重要です。
USBメモリやCD-ROMは紛失リスクと管理負担が課題
ネットワーク環境に依存せず大容量データを受け渡せる
USBメモリやCD-ROM、DVDなどの物理媒体は、インターネット環境を利用せずに大容量ファイルを受け渡せる方法です。容量の大きな設計データや動画データの受け渡し手段として利用されてきた実績があり、通信環境の影響を受けないというメリットがあります。
紛失や盗難による情報漏えいリスクがある
一方で、物理媒体には管理上の課題があります。
USBメモリやDVDを郵送した場合、輸送中の紛失や盗難が発生する可能性があります。また、受け渡した後も媒体そのものが残り続けるため、不要になったデータの管理や廃棄まで考慮しなければなりません。
情報漏えい事故の中には、USBメモリの置き忘れや紛失によるものも多く、セキュリティ対策の観点から利用を制限する企業も増えています。
迅速なデータ共有には向いていない
物理媒体による受け渡しは、準備や発送、受領確認に時間がかかります。
遠隔地の取引先とのやり取りでは即時性に欠けるため、スピードが求められる現代のビジネス環境では運用負荷が大きくなる傾向があります。
クラウドストレージは便利な反面、情報管理に注意が必要
大容量ファイルを効率的に共有できる
クラウドストレージは、大容量ファイルの保存や共有を容易に行える点が特長です。
複数の関係者が同じファイルを閲覧できるため、共同作業や継続的なプロジェクト管理では高い利便性を発揮します。
シャドーITや設定ミスによる情報漏えいリスク
クラウドストレージでは、利用者が業務効率化を目的として、管理者の承認を得ずにサービスを利用するシャドーITが発生することがあります。管理者の監督が及ばない環境でファイル共有が行われると、セキュリティポリシーやログ管理が適切に機能せず、情報漏えいのリスクが高まります。
加えて、共有リンクの公開設定やアクセス権限の設定ミスによって、意図しない相手にファイルが公開されるケースもあります。特に社外とのファイル授受では、利便性だけでなく、組織として管理できる仕組みを選択することが重要です。
単発の社外送付には管理が複雑になる場合もある
クラウドストレージは継続利用を前提とした仕組みであるため、取引先へ一度だけファイルを渡したいケースでは運用が煩雑になることがあります。
共有設定や公開期限の管理が必要になり、単発送付のためだけに利用すると管理負荷が増える場合があります。
大容量ファイル授受にはファイル転送サービスが適している
大容量ファイル送信に特化した仕組み
ファイル転送サービスは、大容量ファイルの送受信に特化したサービスです。ファイルを専用サーバーにアップロードし、受信者は発行されたURLを利用してダウンロードするため、メール添付では扱いにくい容量の大きなデータにも対応できます。設計図面や動画などの大容量ファイルを、安全性に配慮しながら受け渡せる点が特長です。
アクセス制御によって安全なファイル授受を実現
ファイル転送サービスには、ダウンロード期限の設定やパスワード認証、IPアドレス制限など、ファイル授受の安全性を高めるための機能が備わっています。
ファイルを必要な相手に必要な期間だけ共有できるため、共有リンクの長期放置や不必要なアクセスといったリスクを抑えやすくなります。また、送付後の利用状況を管理しやすいことから、情報漏えい対策や誤送信対策の強化にもつながります。
容量とセキュリティを両立しやすい選択肢
メール添付は容量に課題があり、物理媒体は管理負荷がかかります。ファイル共有サービスは利便性が高い一方で、シャドーITや設定ミスへの対策が欠かせません。
その点、ファイル転送サービスは大容量ファイル授受に必要な機能を備えており、安全性と運用効率を両立しやすい方法といえます。
横スクロールでご覧いただけます。
| 比較軸 | メール添付 | 物理媒体 | クラウドストレージ | ファイル転送サービス |
|---|---|---|---|---|
| 大容量ファイル | × (添付できる上限容量あり) |
〇 | 〇 | 〇 |
| 届くまでの速さ | 〇 | × (郵送のため日数がかかる) |
〇 | 〇 |
| 主なリスク | 誤送信リスク・PPAP | 紛失・盗難 | 共有設定ミス・シャドーIT | 保管期間と容量の設計が必要 |
| 誤送信の抑止 | 送信者の確認に依存 | 郵送時の取り違え | 共有範囲の設定に依存 | 宛先制限・承認で抑止しやすい |
| 向いている場面 | 小容量の日常的なやり取り | ネットワークが使えない環境 | 社内での継続的な共同作業 | 社外への大容量ファイル送付 |
【選定チェックリスト】
- [ ]日常的にやり取りするファイルの最大サイズはどのくらいか
- [ ]送り先は社内が中心か、社外の取引先が中心か
- [ ]一度渡して終わるファイルか、継続的に更新するファイルか
業種別のおすすめ活用シーン
製造業や建設業では大容量データの受け渡しが日常化
製造業ではCADデータや設計図面、建設業では現場写真や施工関連データなど、大容量ファイルを扱う機会が多くあります。
こうしたファイルはメール添付では送信が難しく、USBによる運搬も管理負荷が高いため、安全なファイル転送サービスの活用が進んでいます。
機密情報を扱う業種では安全性が重要
金融業、人事、経理、士業などでは、個人情報や機密文書を日常的にやり取りしています。
このような業務では、誰が、誰に、どのファイルを送付したかの履歴を適切に管理できる仕組みが求められます。
まとめ:大容量ファイルの送信はファイル転送サービスが最適
大容量ファイルの受け渡し方法にはそれぞれ特徴があります。メール添付は容量制限や誤送信リスク、USBメモリやCD-ROMなどの物理媒体は紛失や管理負荷、クラウドストレージはシャドーITや設定ミスによる情報漏えいリスクに注意が必要です。
社外との大容量ファイル授受では、安全性と運用効率を両立できるファイル転送サービスが有力な選択肢となります。安全なファイル授受の仕組みを整備したい場合は、SPACE PORTERのような法人向けファイル転送サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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著者情報
| 著者 | SPACE PORTER セールスチーム 「SPACE PORTER」のプロモーション・販売を担当するチームです。お客様の業務課題に寄り添いながら、より安全で便利なファイル共有の実現をサポートしています。コラムでは、導入事例や活用のヒント、運用のコツ、最新機能情報など、日々の業務に役立つ情報をわかりやすくお届けします。 |
|---|---|
| 開発・販売元 | 三菱電機ソフトウエア株式会社 「SPACE PORTER」の開発・提供元である三菱電機ソフトウエア株式会社は、長年にわたり培ってきたシステム開発の知見と高い品質・信頼性を強みに、進化する情報技術を取り入れながら、お客様の課題解決に貢献するIT製品・サービスを提供しています。 |




